ITパスポート試験

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iパスとは

学校の声

iパスは生徒・教員ともに学校全体で
ICT知識をレベルアップする牽引役

学習に2年かけ、情報ビジネス科の2年生全員が受験

瓜生:
 本校は、プログラミングやネットワークなどを学ぶ「情報ビジネス科」、経営・マーケティングやリテール業務を学ぶ「経営ビジネス科」、簿記会計や原価計算を中心に学ぶ「会計ビジネス科」の3学科があり、それぞれの科で学力到達目標とする試験・資格を設定しています。
 情報ビジネス科で活用しているのがiパスで、2013年度の入学生から2年生全員(学科定員80名)が受験に臨んできました。ITの基礎的な知識を問う試験ということで、本科が育成を目指す人材像に合致していることに加え、国家試験として信頼性が高い点もiパス採用のポイントといえます。
 iパスの出題範囲は広範なので、勉強を授業にも組み込み、2年がかりで内容を履修する形にしています。教材は高校の情報処理やプログラミングの教科書のほか、市販のiパス学習テキストや問題集も活用。さらに、簿記の授業で会計・原価計算の分野、数学の授業で離散数学や確率統計の分野を指導してもらうなど、他科の先生方の協力もいただいています。

齋藤:
 年度によってばらつきがありますが、合格率はおおむね1回目の受験で2割程度、再チャレンジで3~4割に拡大するといったところでしょうか。1回目が残念な結果に終わっても卒業までに合格したいと引き続き努力する生徒も多いですし、情報ビジネス科以外の生徒も2~3年生で受験して例年数名が合格している状況です。
 部活動では、私が顧問を務める情報処理部でも1年生でiパス、2年生で基本情報技術者試験への合格を目標に掲げ、みんなで勉強に励んでいます。阿部さんと佐藤さんも部員で、2人とも1年生の3月にiパス合格を果たしました。阿部さんは2年生の12月に基本情報技術者試験にも挑戦しました。

知識の定着のため、問題演習に繰り返し取り組む

瓜生:
 iパス合格を入試で優遇している大学や学費減免の条件にしている専門学校もありますし、就職でもiパス合格という実績は有利に働くでしょう。生徒にとってiパスは進学や就職の武器になるもので、それが学習のモチベーションにつながっているとみています。

齋藤:
 教員としてもiパスを活用することでメリットがあります。例えば、iパスのシラバスには近年のIT動向が反映されるので、新しい用語や社会的潮流を踏まえて指導できます。結果として、自分の知識もアップデートできます。iパスは、生徒と教員が一緒になって学校全体でICTの知識をレベルアップするための牽引役といえるかもしれません。
 一方、学ぶ対象が広範かつ新しい技術であるだけに、生徒にとっては知識の定着が課題です。合格には生徒の自主的な学習が欠かせません。iパスの学習ウェブサイトをいくつか紹介し、放課後や空き時間を使って繰り返し問題演習をさせるようにしています。
  

繰り返し問題を解き、間違えたところをしっかり復習

佐藤:
 中学時代に学校からタブレットが配布されるなど情報化の進展を実感し、自分もICTを学びたいと考えていました。iパス合格に向けた指導をしてくれると聞いて情報ビジネス科を志望したくらい、私にとってiパスは大きな目標だったのです。
 とはいえ、最初にiパスのテキストを手にしたときは、分厚いうえに知らない単語ばかりで少し気おくれしました。それでもテキストを熟読して分野別問題、模擬問題、過去問題を解くうち、自分に力がついていくことが実感できて、だんだん勉強が楽しくなっていきました。経営に関する用語などはインターネットで調べてイメージをつかむようにしたことも、知識の定着に役立っています。


阿部:
 私は、将来IT企業への就職を視野に入れていて、ITに強いということでこの学科を選びました。卒業後は進学を考えていますが、それには資格取得数が多いほうがよいので情報処理部にも入部してiパス合格へ向け勉強を始めました。
 私も最初にiパスのテキストを見たときは手ごわいと思いましたが、専門用語も字面からイメージを読み取るなどして理解を深めていきました。繰り返し問題を解くことにプラスして、覚えきれない用語を洗い出す、間違えたところは復習を繰り返すなど、着実に知識量を増やす工夫が必要と思います。

iパス合格の成功体験は今後の資格取得の糧になる

佐藤:
 iパスに合格したときはうれしかったですね。ITに関する基礎知識を習得したと自信を持って周囲に示すことができますし、今目指している基本情報技術者試験の学習のベースにもなっています。在学中に国家試験に合格した成功体験は今後、さまざまな資格取得を目指すときの糧になると思います。

阿部:
 私もiパス合格をきっかけに、さらに上を目指す意欲が湧いて、基本情報技術者試験の受験に結びつきました(*)。次の目標として、高校卒業までにプログラミング言語「Python」に関する認定試験にもチャレンジしたいと思っています。進学もプログラミング言語の分野にしようかなと、将来につながる道が見えてきました。
 iパスは高校生にはややハードルが高い試験ですが、ICT分野に興味があるなら受けて損はないと思います。興味があれば学習意欲も自然と湧いて、合格に近づけるのではないでしょうか。

(*) 2025年1月20日に基本情報技術者試験を合格   

知識を高めるだけでなく、人間形成の機会にもなっている

瓜生:
 iパスは、情報処理技術者試験の中ではエントリーレベルの試験ですが、社会経験の少ない高校生には難関です。一つひとつコツコツと学習を進め、1~2年の長期的な視点で地道に指導することが合格の早道と思います。また、不合格となった生徒には再挑戦を促しています。地道な努力を重ねて成果を手にすることの大切さも生徒たちに学んでほしいですね。

齋藤:
 テクノロジ系やマネジメント系はもちろん、高校生には難しいストラテジ系も、知識だけでも頭に入れておけば後々、実社会に出たときに有用でしょう。ITに関する知識を幅広く身につけるという点では、勉強するだけでも意味があると思います。
 iパスの指導は教員として大変な面もありますが、生徒と一緒にICTを学べるよい機会。再受験の生徒の希望で放課後も指導した結果、合格を勝ち取ったときは、生徒の表情に達成感や自信があふれていました。iパスは知識を高めるだけでなく、人間形成の機会にもなっていると感じます。

  

福島県立福島商業高等学校
当校は1897年に創立し、福島県内でも有数の伝統校である。学科は情報ビジネス科、経営ビジネス科、会計ビジネス科の3つ。ICT教育やキャリア教育に力を入れているほか、部活動も盛んで文武両道に秀でる生徒の育成を目指している。部活動のひとつである情報処理部は、公益財団法人全国商業高等学校協会が主催する全国高等学校情報処理競技大会で上位成績を収めるなど、全国屈指の実力を誇る。卒業生の進路は7割が進学で3割が就職。生徒数707名(2024年10月1日現在)。



※掲載内容は2024年12月取材時のものです。

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