ITパスポート試験

ITパスポート試験についてご不明なことは
コールセンターまでお電話ください。

03-6631-0608 受付/8:00~19:00(コールセンター休業日を除く)

iパスとは

企業の声

相模原地域4,600社のデジタル振興へ。自治体と連携してiパス講座を開催

企業のDXを推進するには、社内のIT人材育成が不可欠

 商工会議所は、地区内の商工業の振興発展に努めると同時に、地域の商工業者の世論を代表する公共性をもった地域総合経済団体です。その中で私たち相模原商工会議所(神奈川県)は、相模原市内(津久井地域を除く)を管轄地域とし、中小企業や小規模事業者を中心に約4,600社の会員企業を支えています。お蔭様で2023年には創立50周年を迎えました。
 私たちの主な活動は3つあります。1つ目は、国や政府へ地域商工業者の現状を伝え、各種政策に反映してもらうための政策提言活動。2つ目が、事業者に対して商売上の法律や税務、融資、補助金申請といったさまざまな経営相談を行う経営支援活動。そして3つ目が地域振興、まちづくり活動です。具体的には、一般市民へ市内の店舗やサービスを紹介する「さがみはらお店大賞」や、ロボット産業特区の利点を生かした「さがみはらロボットビジネス協議会」の設置。最近では、リニア中央新幹線・神奈川県駅設置工事が進む橋本駅周辺地区での新しいまちづくりに向けた機運醸成などが挙げられます。
 私が部長を務める中小企業振興部では、事業者への直接的な支援に取り組んでおり、その中で特に大きな課題の1つとして、デジタル化の推進が挙げられます。
 2022年1月から3月に、会員企業にデジタル化の推進状況や課題を尋ねるアンケート調査を行ったところ、「デジタル化に取り組んでいる」と回答した企業は7割に上ったものの、その実態はメーラーや会計ソフトの導入、紙文書の電子化など、いわゆるOA化がほとんどでした。残念ながら、生産性や競争力の向上につながるデジタル化、DX化の推進とは言い難い現状だったのです。
 デジタル化が進展しない理由としては、「導入の必要を感じない(効果が不明)」「導入の方法が分からない」「社内にデジタル人材が不足している」といった声が寄せられました。これはつまり、社内にITの知見やノウハウが足りないということです。しかし、IT人材を新たに採用するには時間もお金もかかります。企業のITリテラシーを底上げし、DX推進へと歩を進めるには社内にIT人材を育成することが不可欠と考えられました。

延べ約80社の企業の役員・従業員がiパス講座を受講

 そこで、当所では2022年4月から大きく2つの施策を実施し、段階的に拡充を図っています。
 1つが「デジタルツール導入支援」です。内訳は、デジタル化を進めたい企業に中小企業診断士などの専門家を最大7回まで派遣する「DX推進専門家派遣」、IT導入補助金の申請方法とIT導入支援事業者の登録方法を説明する「IT導入補助金セミナー」、業種やセクションごとにお勧めのデジタルツールを紹介する「デジタルツール導入講座」の3事業です。
 もう1つの施策が「デジタル人材育成支援」。この主軸のコンテンツとして活用しているのがiパスです。iパス採用の決め手は、デジタル化に関するスタンダードな試験で、さまざまな企業や団体の注目を集めていること。また、ITのみならず経営戦略からマーケティング、財務、法務、プロジェクトマネジメントまで、幅広い分野の知識を総合的に深めることができる点も魅力でした。
 とはいえ、個々の事業所でiパス受験の環境を整備するのは容易ではありません。そこで多くの会員企業を擁する当所が運営主体となってスケールメリットを生かそうと、2022年4月より「ITパスポート取得養成講座」(以下、本講座)を開講することにしたのです。外部の専門講師を招いてiパスの学習内容を丁寧に指導するだけでなく、1期8回の受講料を5,000円に抑え、当所発行のバウチャーチケット利用者に限り受験料の一部(1,000円)を補助するといった優遇策を打ち出したこともあり、前期・後期とも大盛況に終わりました。
 この取り組みは相模原市からも評価され、翌2023年度からはDX推進専門家派遣とデジタルツール導入講座と併せ、本講座も市の委託事業として補助金を支給いただくことになったのです。おかげで受講料が無料となり、2022年度と同様、定員(20名)をオーバーするほどの満員御礼状態でした。2022・2023年度通算で、延べ約80社の企業の役員・従業員の方に受講いただいています。

DX認定企業も誕生。相模原地域の産業のさらなる強化へ

 バウチャーチケットを利用して受験された方の合格率は7割に達しています。合格がすべてではないものの、やはり目に見える成果が得られることで事業者は従業員を参加させやすく、また従業員の方々は学習意欲を高められるのではないでしょうか。受講者からは「自社の経営戦略について理解が深まった」「技術者の話が分かるようになった」といった声をいただいていますし、合格者に取得手当金を出している企業もあるようです。
 デジタル化やDX推進に着手したいと思っても何から始めていいのか分からなかった事業者にとって、iパスはまさに初めの一歩。合格者には社内のデジタル化推進役として、生産性向上や省力化に取り組んでいただければと思っています。
 iパス合格者を輩出した企業の中には、DX推進専門家派遣も活用してDX認定を取得したところもあります。こうした高みを目指す企業がさらに増えるとうれしいですね。
 2023年4月からは、やはり市の委託事業として、情報セキュリティ人材の育成を目指した「情報セキュリティマネジメント取得養成講座」も実施。デジタル人材育成支援策にいっそうの厚みを持たせています。
 生成AIへの関心の高まりも受け、知識習得などインプットを主とするセミナーだけでなく、より自社で活用できるようなアウトプットを含めたセミナーの開催も検討中です。また、一連の施策全体を統合する形でより充実を図り、ITリテラシー向上を実現する「相模原デジタル人材育成プログラム」の創設も検討しています。
 当所の最大の目標は、地元の企業を活性化し、相模原地域全体の産業を強くすること。そのためにデジタル化、DX推進は避けて通れません。皆様のメリットとなる取り組みを地道に実践し、役に立つ商工会議所と言っていただけるよう、これからも頑張っていきます。

※掲載内容は2023年12月取材時のものです。