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iパスとは

企業の声

部門を横断的に束ねて課題を解決へ導く
ファシリテーターの育成にiパスを活用

iパスは、経営に積極的に参画する社員育成に有効なツール

小田中:
 株式会社リガルジョイント(神奈川県相模原市)は、1974年の創業以来、流体、ガス、配管に関わる製品の設計開発から製造販売までを手がけてきました。具体的には、流体制御機器事業、環境事業、受託製造事業、熱交換器事業の4分野でビジネスを展開しています。
 創業者である父の急逝を受け、私が社長に就任したのは2022年12月のこと。目指しているのは、従業員の衆知を集める「開かれた経営」です。コンプライアンスはもちろんのこと、経営の意思決定事項や財務情報などもできる限り従業員に開示して、そこに積極的に参画してもらえる従業員を育てていきたい。そのため、従業員教育やスキルマップ作成を重視しており、iパスもその構成要素として注目しています。
 iパスの魅力は、ITや経営、マネジメントに関する幅広い知識を体系的に学べる点でしょう。当社の課題に絡めていえば、iパス活用のメリットは大きく3つあります。
 1つは業務のIT化やDX推進に役立つこと。当社では今のところ部品管理などをマンパワーに頼っていますが、ここをシステム化して営業から調達、製造までを一気通貫で行い、業務効率化や生産性向上を図りたいと考えています。
 2つ目が、そうしたIT基盤と経営戦略とを結び付け、ビジネスが円滑に進むように調整するファシリテーターの育成にもiパスが有効なこと。特定分野に長けたスペシャリストだけでは部署間にまたがる課題の解決は難しいため、iパスでの学びを通じて組織を横断的に管理できるゼネラリストを増やしたいと思っています。
 そして、DX時代に従業員のロールモデルとなり得るのは、そんなファシリテーターでしょう。iパスでITや経営管理の統合的なスキルを養い、社内で活躍する人材を増やすことで、従業員のモチベーションや職場としての魅力を底上げする。これがiパス活用の3つ目の目的です。
 こうした観点から、2023年5月、従業員の皆さんにお勧めの試験の1つとしてiパスを掲げました。すると、シニアセールスマネージャーの速水さんと、若手の開発担当者含めて2名がすでにiパスの勉強を始めていることが分かったのです。うれしい驚きでしたね。

データ分析やファシリテーター業務に、iパスで得た知識が役立つ

速水:
 ここ数年、データを基に販売戦略を練ったり提案書などを自分で作成したりすることが増え、ITスキルを高める必要性を感じていました。そんな折り、2023年のゴールデンウィーク中に書店でiパスのテキストを見つけたのです。ページをめくってみると、ITやマネジメントがバランスよく学べるとわかり、早速独学で勉強を始めました。
 その直後に会議で小田中社長からiパスを勧められ、5月初めから本腰を入れて勉強をスタート。さらに同月末より相模原商工会議所が「iパス取得養成講座」を無料で開催すると知り、社長の了解を得て受講を開始。偶然が重なったのも何かの縁と思い、勉強にいっそう熱が入りました。
 ただ、やはり土日だけの勉強ではなかなか身につきません。そこで講座でアドバイスされた「毎日少しずつでも勉強する」という方法に切り替えたところ、着実に知識が定着していきました。
 ネットワーク、セキュリティ、ソフトウェア、ハードウェアなどITに関するベーシックな内容に加え、プロジェクトマネジメントについて体型的に理解できたのがよかったですね。プロジェクトリーダーとしては、部門を縦だけでなく、横串で統括していかねばなりません。そういう意味で、iパスはまさにファシリテーター人材の育成にマッチした出題内容と感じました。
 講座で傾向と対策を指導いただいたこともあり、同年7月末の試験で無事合格。現在は、新規開拓営業課で国内外の新規顧客・販路開拓に従事していますが、iパスで学んだことはプロジェクトマネジメント運用におけるデータ分析手法やファシリテーター業務の実践において役立っています。
 同時期に受験したもう1名も合格を果たしました。従業員みんなが自己研鑽すれば、会社も筋肉体質に変わるはずです。iパスを通じた私自身のリスキリングをみんなに見てもらうことで、こうしたチャレンジが社内でもっと増えることを願っています。
 ただ、受験に当たっては、合否の結果だけにとらわれず、毎日少しずつ努力するというプロセスそのものを味わってほしいですね。日々の積み重ねで成長できたという自信は、他の分野にチャレンジするうえでも原動力になるのではないでしょうか。

経営者の役割は、従業員が活躍できる舞台を提供すること

小田中:
 iパスのほか、当社では人材育成に関する施策として、2022年よりプロジェクト制度を導入しています。新製品開発、部品の欠品を防ぐための複社購買、設備インフラ改善、オフィス改革など、約10本のプロジェクトが進行中です。いずれも全社横断的な課題に挑み、プロジェクトメンバーそれぞれの成長を促すというもので、ありがたいことに最近では現場から意見が上がってくるようになりました。
 速水さんは製品の価格転嫁プロジェクトのリーダーに就任し、市場の動向や調達の相場などデータ分析を踏まえた優れた提案をしてくれています。これもiパス合格の賜物でしょう。
 今後はiパスを若手社員教育の一環として導入することを検討していますが、相模原商工会議所のサポートは本当に助かります。無料講座はコスト面の負担軽減に加え、専門の講師に教えていただけるということで、本格導入に向けた心強い支えとなっています。
 経営者の役割は、従業員が活躍できる舞台を提供すること。これは創業者である父の教えでもあります。創業50周年という大きな節目を経て、これからも従業員が適材適所で輝くための後押しを全力で行い、会社をいっそう強くしていきたいと思っています。

※掲載内容は2023年12月取材時のものです。